私は昔、仕事を選ぶうえで大切なことを深く考えずに就職・転職を繰り返していました
「てんかんがあって普通に働ける」
「なんだってやれば出来る」
そんな思いで仕事を選んでいた結果、てんかんを理由に仕事を失ったり、仕事中に発作への不安を抱えながら働いたりと、多くの失敗や遠回りを経験してきました
だからこそ今は、やりたい仕事を大切にしながらも、自分の症状や発作の特徴を理解したうえで仕事を選ぶことが大切だと感じています
本記事では、私自身の経験をもとに、てんかんがある人におすすめの仕事5選と、後悔しない仕事選びのポイントについて詳しく解説します
てんかんがある人におすすめの仕事5選

てんかんがあると、「どんな仕事を選べばいいんだろう?」と悩む人は意外と多いです
私自身もこれまで何度も転職をしてきましたが、正直、てんかんを考慮して仕事を選んだことはほとんどありませんでした
しかし今振り返ると、「やりたい仕事」だけでなく、発作が起きたときの安全面まで考えて仕事を選ぶことは、とても大切だったと感じています
ここでは、私自身の経験も踏まえながら、てんかんがある人におすすめの仕事を5つ紹介します
事務職
事務職はてんかんがある人におすすめの仕事の一つです
デスクワークが中心のため、高所作業や危険を伴う機械の操作が少なく、安全面を考えても働きやすい職種といえます
また、勤務時間が比較的安定している会社も多く、生活リズムを整えやすいこともメリットです
ただし、事務職といっても仕事内容は会社によって異なるので応募する際は、担当する業務や残業の有無なども含めて確認しておくと安心です
私自身もオープン就労で事務職として働いた経験があります
デスクワークが中心だったため、身体への負担は比較的少なく、危険を伴う作業もありませんでした
また、会社がてんかんについて理解してくれていたこともあり、「病気を隠さなくていい」という安心感の中で働けたことを今でも覚えています
私にとっては、仕事内容だけでなく、病気を理解してもらえる職場環境だったことも、安心して働き続けられた理由の一つでした
Webライター・Webライティング
Webライターは、インターネット上の記事を書く仕事です
パソコンとインターネット環境があれば始めやすく、在宅で働ける案件も多いため、体調に合わせて仕事を進めやすい職種です
未経験から始められる案件もありますが、安定した収入を得るまでには継続して経験を積むことが大切です
私自身も現在、副業の一環としてブログ運営をしています
ブログは直接企業から案件を受けての仕事ではないため、収入は安定しません
それでも、自分の体調に合わせて作業時間を調整できるため、発作への不安を抱えながらでも無理なく続けられています
収入だけではなく、「自分のペースで働ける」という点は、てんかんがある人にとって大きな魅力だと感じています
動画編集
動画編集は、パソコンを使って動画のカットやテロップ、BGMの追加などを行う仕事です
最近では、YouTubeやTikTokなどの動画視聴が当たり前になってきたこともあり、動画編集者の需要も高まっています
動画を自分で編集する時間がないYouTuberやTikTokerなどから、動画編集を依頼されるケースも増えており、仕事を獲得するチャンスがあります
また、在宅で働ける案件も多いため、通勤の負担を減らし、自分の体調に合わせて仕事を進めやすい点も魅力です
動画編集のスキルを身につければ、副業やフリーランスとして働くこともできます
ただし、長時間のパソコン作業になることもあるため、休憩を取りながら無理のない範囲で作業することが大切です
プログラマー・Web制作
プログラマーやWeb制作の仕事は、専門的な知識や技術を身につける必要がありますが、パソコンを使った作業が中心のため、てんかんがある人にもおすすめできる仕事の一つです
在宅勤務やフレックスタイム制度を導入している企業も多く、通勤の負担を減らしたり、自分の体調や通院に合わせて働きやすい環境を選べる可能性があります
また、プログラミングやWeb制作のスキルを身につければ、会社員として働くだけでなく、副業やフリーランスなど、働き方の選択肢を広げられる点も魅力です
特に、決められた時間に出社することが負担になりやすい人や、できるだけ自分のペースで仕事を進めたい人には向いているでしょう
一方で、納期前は忙しくなったり、長時間のパソコン作業が続いたりすることもあります
そのため、睡眠不足や過度なストレスにつながらないよう、無理のないスケジュールで働ける職場を選ぶことが大切です
フリーランス
フリーランスは、会社に雇用されるのではなく、自分で仕事を受注して働くスタイルです
働く時間や仕事量を自分で決めやすいため、自分の体調や生活リズムに合わせて働き方を調整しやすいことが大きな魅力です
また、会社員のように決められた時間に毎日出勤する必要がないため、通勤による負担を減らせる場合もあります
これまで紹介した動画編集やプログラマー・Web制作などのスキルを身につければ、フリーランスとして仕事を受注することも可能です
一方で、会社員とは違って仕事を自分で探して受注する必要があり、収入が不安定になりやすい点には注意が必要です
さらに、スケジュール管理や体調管理、仕事のやり取りなども自分で行わなければなりません
そのため、フリーランスを目指す場合は、まず会社員や副業などでスキルや経験を身につけてから、少しずつ仕事の幅を広げていく方法もあります
てんかんがある人が仕事を選ぶ時に大切なこと

ここまで、てんかんがある人におすすめの仕事を5つご紹介しました
しかし、「おすすめの仕事だから自分にも合う」とは限りません
てんかんは発作の種類や頻度、薬でのコントロール状況など、一人ひとり症状が異なる病気です
そのため、仕事を選ぶ際は、職種だけでなく自分の症状や働く環境も踏まえて判断することが大切です
ここでは、私自身の経験をもとに、仕事選びで特に大切だと感じた3つのポイントをご紹介します
発作の頻度や症状を把握する
仕事を探す前に、自分の発作について理解しておくことが大切です
例えば
- どのような症状が現れるのか
- 薬でコントロール出来ているか
- どのような場面で発作が出やすいか
- 発作はどのぐらいの頻度で起こるのか
こうしたことを把握しておくことで、自分に向いてる仕事や避けたほうがよい仕事を判断しやすくなります
だからといって、てんかんがあるからと最初から仕事の選択肢を狭める必要はありません
法律や安全面の理由から、就くことが難しい仕事があるのも事実です
ですが、同じ業界や会社で働くことが、必ずしも出来ないわけではありません
自分の今の状態や症状で出来る仕事を見つけてみる重要性も同時に考えてほしいと思います
安全面を最優先に考える
仕事を選ぶときは、やりたい仕事であることも大切ですが、安全に働ける環境であることはそれ以上に重要だと思います
高所作業や危険を伴う機械の操作など、万が一発作が起きた場合に重大な事故につながる可能性がある仕事は、慎重に判断する必要があります
「自分なら大丈夫」と思っていても、体調や睡眠不足などがきっかけで発作が起きることもあります
だからこそ、自分だけでなく周囲の人の安全も考えながら仕事を選ぶことが大切です
長く働き続けられる仕事を選ぶ
給与や仕事内容だけで仕事を選ぶのではなく、「無理なく長く働き続けられるか」という視点も大切です
私自身、以前は「仕事が楽そうか」「給与がどれくらいもらえるか」といった条件を重視して仕事を選んでいました
正直なところ、当時はてんかんがあることを仕事選びの基準として、そこまで深く考えていなかったのが本音です
その結果、実際に働き始めてから人間関係に悩んだり、自分の経験やスキル不足を感じたりして、仕事を転々とすることもありました
今振り返ると、仕事内容や給与だけでなく、自分の症状や性格、職場環境なども含めて「長く働き続けられるか」を考えておけばよかったと感じています
だからこそ、これから仕事を探す方には、目先の条件だけで決めるのではなく、「この仕事を無理なく続けていけるだろうか」という視点も持ってほしいと思います
てんかんがあるからといって、最初から仕事の選択肢を狭める必要はありません
私自身もこれまでさまざまな仕事を経験してきましたが、今振り返ると大切なのは「てんかんだから何ができないか」だけを考えることではなく、「自分の症状を理解したうえで、何ができるのか」を考えることだと感じています
やりたい仕事があるなら、まずは諦めるのではなく、安全に働ける方法がないかを考えてみてほしいと思います
てんかんがある人が避けたほうがいい仕事

てんかんがある人が仕事を選ぶうえで大切なことを3つご紹介しました
では、てんかんがある人は、どのような仕事でも選べるのでしょうか
実は、法律上の制限によって就くことができない業務や、発作が起きた場合のリスクを考えて避けたほうがいい仕事があります
もちろん、てんかんの症状や発作の頻度、発作が起きる場面などによっても判断は異なります
そこでここでは、てんかんがある人が仕事を選ぶ際に知っておきたい仕事を
- 法律上の制限がある仕事
- 安全面から避けたほうがいい仕事
上記の2つに分けて紹介します
自分にできる仕事の可能性を必要以上に狭めるのではなく、「どこにリスクがあるのか」を知ったうえで仕事を選ぶための参考にしてください
法律で制限される仕事
てんかんがある場合、法律や免許制度などによって、一定の制限が設けられている仕事があります
特に、仕事中に発作が起きることで、自分だけでなく周囲の人の生命や安全に重大な影響を及ぼす可能性がある仕事では、一定の基準が設けられています
ここでは、てんかんがある人が仕事を選ぶ際に知っておきたい、代表的な仕事を紹介します
なお、過去に小児てんかんがあったものの、長期間発作がなく、現在は服薬をしていないなど、状態によっては制限の対象とならない場合もあります
また、職種によって適用される法律や基準が異なるため、「てんかんがあるから必ず就けない」と一律に判断することはできません
該当する仕事を希望する場合は、最新の法令や免許制度を確認し、必要に応じて医師や関係機関に相談するようにしてください
タクシーやバス、トラックなどの運転を伴う業務
自動車の運転中に発作が起きると、重大な交通事故につながる可能性があります
そのため、運転免許には一定の基準が設けられており、特にタクシーやバス、トラックなどの運転を主な業務とする仕事は、てんかんがある人の仕事選びでは基本的に避けたほうがよいでしょう
安全面を考えても、運転を主とする仕事は候補から外しておくことをおすすめします
出典元:警察庁|運転免許の拒否等を受けることとなる一定の病気等について
航空機の運航を伴う航空従事者(パイロットなど)
航空機の運航中に発作が起きると、自分だけでなく多くの人の安全に重大な影響を及ぼす可能性があります
そのため、航空従事者には身体検査などに関する基準が設けられており、てんかんがある人にとってパイロットなどの仕事は基本的に就くことができない職種です
出典元:国土交通省|航空従事者の医学適性や航空身体検査の証明について
船員
船員は、航海中に発作が起きた場合、自分だけでなく船舶や他の乗組員の安全に影響する可能性があります
そのため、船員には健康状態に関する基準が設けられており、てんかんがある人にとって船員として働くことは基本的に避けたほうがよい仕事といえます
仕事選びでは、船舶の運航や船上での業務を伴う仕事は慎重に考えることをおすすめします
鉄砲や刀剣類を所持する業務(猟師や警察の一部業務など)
てんかんの発作によって意識を失ったり、身体の動きをコントロールできなくなったりすると、鉄砲や刀剣類を扱う業務では重大な事故につながる可能性があります
そのため、鉄砲や刀剣類を所持・使用することが必要な一部の業務には、法律上の制限があります
てんかんがある人の仕事選びでは、こうした業務は基本的に避けたほうがよいでしょう
安全面から避けた方がよい仕事
ここでは、法律によって一律に就業が制限されているわけではありませんが、発作が起きた場合の事故やけがのリスクを考えると、てんかんがある人は避けた方がよいと私が考える仕事を紹介します
もちろん、てんかんの発作にはさまざまな種類があり、発作の頻度や症状によっても危険性は異なります
そのため、「てんかんがある人は絶対に就いてはいけない」という意味ではありません
自分の発作の特徴や医師からの指示、仕事内容を踏まえたうえで、安全に働けるかどうかを考えることが大切です
高所作業がある仕事
高所で作業中に発作が起きると、転落によって重大なけがにつながる可能性があります
建設現場や足場の上など、高い場所で作業する仕事は、発作の種類や頻度によっては非常に危険です
そのため、発作が起こる可能性がある場合は、高所作業を伴う仕事は避けたほうがよいでしょう
危険を伴う機械の操作がある仕事
大型の工作機械や切断機など、操作を誤ると重大な事故につながる機械を扱う仕事も注意が必要です
作業中に発作が起きると、本人だけでなく周囲の人を巻き込む事故につながる可能性があります
発作の状態によっては、危険な機械を操作する仕事は避けたほうがよいでしょう
一人で危険な作業を行う仕事
一人で作業しているときに発作が起きると、周囲の人が発作に気づけず、適切な対応が遅れる可能性があります
特に、危険な場所や設備の中で一人で作業する仕事では、発作後の安全確保も難しくなります
他にも、夏場の外仕事などの高温環境で発作が起きた場合も発見に時間がかかり、熱中症により命に関わる事故につながる場合もあります
そのため、発作が起きる可能性がある場合は、一人で危険な作業を行う仕事は避けたほうがよいでしょう
火気や高温設備を扱う仕事
火気や高温の設備を扱う仕事では、作業中に発作が起きると、やけどや火災などの事故につながる可能性があります
工場や調理現場など、発作時に火や高温設備から身を守ることが難しい環境では特に注意が必要です
発作の可能性がある場合は、火気や高温設備を扱う仕事は慎重に検討したほうがよいでしょう
水辺で作業がある仕事
水中や水辺で作業中に発作が起きると、溺水などの重大な事故につながる可能性があります
水泳指導や水中作業、船上での作業など、水に落ちる危険がある仕事では特に注意が必要です
発作が起きる可能性がある場合は、水辺での作業を伴う仕事は避けたほうがよいでしょう
よくある質問

ここまで、てんかんがある人の仕事選びについて解説してきました
最後に、就職・転職を考える際によくある質問について、私の経験も踏まえて回答します
てんかん持ちでも正社員として働けますか?
はい、てんかんがあっても正社員として働くことができます
てんかんがあるからとって言って、正社員として働けないわけではありません
実際に、てんかんがあっても一般企業で働いている人はわたしも含め多くいます
ただし、発作の頻度や症状、仕事内容によっては、安全面への配慮が必要になる場合があります
そのため、「正社員になれるか」だけではなく、自分の症状で無理なく働き続けられる仕事や職場を選ぶことが大切です
面接で病気のことは伝えた方がいいですか?
これは、すべての人が必ずしも伝えなくてはいけないというわけではありません
発作の状態や仕事内容、勤務中に必要となる配慮などを考えたうえで判断することが大切です
私自身もオープン就労とクローズ就労の両方を経験していますが、それぞれにメリット・デメリットがありました
特に、発作時の対応を職場に共有する必要がある場合や、勤務時間・仕事内容などについて配慮を受けたい場合は、病気を伝えることを検討したほうがよいでしょう
なお、厚生労働省は採用選考について、障害や難病などを理由に特定の人を排除するのではなく、適性・能力に基づいて公正に行うことを求めています
一般雇用と障害者雇用はどちらがおすすめですか?
どちらが一方的におすすめというわけではありません
一般雇用では、通常の求人の中から幅広く仕事を探せる一方、病気について自分から伝えなければ、必要な配慮を受けにくい場合があります
一方、障害者雇用では、障害の特性や必要な配慮を企業と相談しながら働きやすい環境をつくりやすいという特徴があります
そのため
- できるだけ幅広い求人から仕事を探したい
- 病気を開示せず働きたい
- 必要な配慮を受けながら働きたい
- 自分の症状について職場に理解してもらいたい
など、自分が何を重視するのかを考えて選ぶことが大切です
てんかんがある人はどんな仕事を避けたほうがいいですか?
てんかんがあるからといって、すべての仕事を避けなければならないわけではありません
ただし、発作が起きた場合に重大な事故につながる可能性がある仕事には注意が必要です
例えば、法律や免許制度によって一定の制限がある運転業務や航空・船舶関係の仕事のほか、高所作業、危険を伴う機械操作、水辺での作業などは、発作の症状や頻度によっては慎重に検討する必要があります
大切なのは、「てんかんだからできない仕事」を一括りにするのではなく、自分の発作の特徴と仕事内容を照らし合わせて、安全に働けるかを考えることです
詳しくは「てんかんがある人が避けたほうがいい仕事」の章で解説しています
まとめ|おすすめの仕事よりも「長く働ける仕事」を選ぼう

ここまで、てんかんがある人におすすめの仕事や、仕事を選ぶときに大切なことについて解説してきました
てんかんがあるからといって、最初から仕事の選択肢を狭める必要はありません
一方で、どれだけ「おすすめ」とされている仕事でも、自分の症状や発作の特徴、職場環境によっては、必ずしも自分に合っているとは限りません
私自身、これまでさまざまな仕事を経験してきました
以前は、給与や仕事の楽さなどを重視して仕事を選ぶことが多く、てんかんのことを深く考えずに仕事を決めていました
その結果、仕事中に発作への不安を抱えたり、人間関係に悩んだりして、仕事を転々とすることもありました
だからこそ今は、「どんな仕事がおすすめなのか」だけではなく、「自分が無理なく長く働き続けられる仕事なのか」を考えることが大切だと感じています
そのためには、自分の発作の頻度や症状を把握し、安全面について考えたうえで、仕事内容だけでなく職場環境にも目を向けることが大切です
もし今、やりたい仕事があるのであれば、「てんかんだから無理」と最初から諦めるのではなく、自分の症状で安全に働く方法がないかを考えてみてください
今回紹介した5つの仕事も、あくまで選択肢の一つです
この記事を参考にしながら、自分に合った仕事や働き方を考えるきっかけになれば嬉しいです
